「みんなの日本語1・2」が終わると、次は中級教材を使って授業をするわけですが、いきなり中級教材を使うと、レベルの違いに挫折してしまう学生もいると思います。
特に中級の日本語は抽象的な表現が多く、かつ意味が似た表現が多いので、初級文型がしっかり定着していないまま中級へと進むと、学生も教師も苦労することになります。
そこで、おすすめなのが、初級と中級の中間の教材です。
「橋渡し教材」という風に言ったりもしますが、今回は「みんなの日本語」が終わって中級へ進む前におすすめの教材を紹介します。
目次
総合学習書としておすすめの本
1. 中級へ行こう
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4技能を伸ばすための総合テキストなら「中級へ行こう」が使いやすいです。
この本は「みんなの日本語1・2」を既習単語・文型として作られているので、新出語彙や文型が明確ですし、新しく出るものには英語・中国語・韓国語・ベトナム語での訳がついています。
また、本書に登場する文章は比較的短く、内容も面白いので、楽しみながら日本語を学ぶことが可能です。
既習の文型、例えば「比較」や「条件文」なども復習として登場するので、既習文型の復習にもなりますし、
- 新出語彙・文型に英語・中国語・韓国語・ベトナム語訳がついている
- 文章は短く、面白いので読みやすい
- 既習文型の復習も可能
2. 初級日本語 げんき2
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「げんき」は初級日本語の教材ですが、げんき2では、みんなの日本語に登場しなかったような表現や文型がいくつか登場するので補助教材として使えます。(例:使役受身)
また、中級に入ると比較的長い文章を読む機会が増えますが、げんき2の読解問題は比較的長い文章のものが多いので、長文を読むための耐性をつけておく手段としても使えます。
- 「みんなの日本語」に登場しなかった文型や表現がある
- 読解問題は文章が長いものばかりなので、中級へ入る前の練習にちょうど良い
「げんき」には英語での文法解説がありますが、動詞は「1グループ/2グループ/3グループ」ではなく、「U-verbs / Ru-verbs / Irregular-verbs」として紹介されているので、学習者が混乱しないようにフォローが必要です。
3. できる日本語 初中級
できる日本語は「タスク中心」の教材で、まず学習者に挑戦させてから、文型を教えるという流れです。
本書では、絵と状況が設定されており、登場人物がどんな表現を使って話しているのか推測します。
そして、その答え合わせとしてCDを聞き、どういった表現が使われていたのかを確認します。
その後、教師が新しい文型の意味や接続などを確認し、文型定着のためにパターンプラクティスやワークブックなどをするという流れです。
他の2冊とは違い、まずは今ある知識でタスクにチャレンジするという点面白く、また初中級教材なので、後半はみん日2よりもレベルが上がるので中級へのステップアップ教材としておすすめです。
- タスク中心の活動である
- N4〜N3前半程度のレベルなので、ちょうど良い
文法のまとめ・復習におすすめの本
短期集中初級日本語文法総まとめ ポイント20
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初級で学習する文法事項(使役受身を含む)が綺麗にまとめられた本で、復習教材として役に立ちます。
学習者向けの本ですが、時々使われる単語や表現が難しいので、授業で一緒に解いたり、宿題として使うといいと思います。
- 初級文型が綺麗にまとめられていて、使いやすい
会話の復習・練習におすすめ
聞いて覚える話し方 日本語生中継 初級編
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本書はタイトルの通り、CDを聞いて「どのように話したら良いのか」を確認しながら授業を進めていきます。
「生中継」とタイトルにあるように会話は実際の生の会話に近く、他の教材のように違和感のあるものではありません。
内容は「誘う」や「断る」など色々な場面があり、その中でどういった日本語を使えば良いのか考えます。
初級が終わっても実際の会話になると、話せない学生が多いので、この本で会話力を強化するといいと思います。
「初級編」ですが、難しい単語も登場するので、単語リストを配るなどしてスムーズに授業が進むように工夫しましょう。
- 場面ごとの会話表現が復習できるのが良い
- まずはCDを聞かせて適切な日本語は何か、学習者自身に考えさせる点が良い
まとめ
今回は「みんなの日本語」が終わって中級へ進む前におすすめの教材を紹介しました。
学習者が中級に行っても、モチベーションを維持できるよう、橋渡し教材をうまく使って、学習者のレベルアップを図りましょう。