「〜するのが難しい」という表現に「〜にくい」や「〜づらい」といった表現がありますね。
例えば、次のような文です。
・このハンバーガーは大きくて、食べにくい。
・このハンバーガーは大きくて、食べづらい。
どちらも、食べるのが難しいという表現で、特に文法の間違いもありませんね。
では、この2つの意味や使い方にどういった違いがあるのでしょうか。
今回は「~にくい」と「~づらい」の違いについて見ていきましょう。
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「~にくい」と「~づらい」の違い
では、次の例文を見てください。
(1) このカバンは安いわりに、丈夫で壊れにくい。
(2) このカバンは安いわりに、丈夫で壊れづらい。
上の文の場合、皆さんはどちらの文を使いますか。
(1)の文は安かったけど、思ったより丈夫で、そう簡単には壊れないという意味ですね。
しかし(2)の文はどうでしょうか。こんな使い方はしないですよね。
同じような例文をもう1つ見て起きましょう。
(3) このコップはプラスチック製なので、割れにくいです。
(4) このコップはプラスチック製なので、割れづらいです。
今度の文はいかがでしょうか。
先ほどと同様に「づらい」を使った文がちょっと不自然に感じますよね。
では、冒頭の例文「このハンバーガーは食べづらい」とどういった違いがあるのでしょうか。
実は、「〜づらい」は話者が意図的にある行為をすることを難しく感じる時に使います。そのため、先ほどの例文のように物の性質に対して「づらい」を使うことができませんし、物だけでなく、「最近、雨が降りづらい天気が続いております」のような自然現象についても使うことができません。
「〜づらい」は物の性質や自然現象などと使うことができない。話者が意図的に行った行為に対して難しいと感じる場合のみ使える。
では、次の例文はどうでしょうか。
(5) 会社を辞めようと思っているんだけど、「辞めます」って言いにくいよなぁ。
(6) 会社を辞めようと思っているんだけど、「辞めます」って言いづらいよなぁ。
今度はどちらの文も使えそうですね。
でも、2つの文にも若干のニュアンスの違いがあります。それは2つの表現の漢字を考えているとわかりやすいと思います。
「〜にくい」は漢字で「〜難い」、「〜づらい」は「〜辛い」と書きます。
漢字を見ると「〜にくい」は難しいという漢字が使われているのに対して、「〜づらい」は辛いという漢字が使われています。
つまり、「〜にくい」は単に「〜するのが難しい」ということを表しているのに対して、「〜づらい」は「〜するのに精神的/肉体的な負担があって難しい」ということを表しています。
文法としては「言いにくい」、「言いづらい」のどちらも間違いではありませんが、「言いづらい」の方が話者の精神的苦痛が想像できませんか?
「〜づらい」は精神的/肉体的に負担に思うというニュアンスが含まれる。
まとめ
今回は「〜するのが難しい」を意味する「〜にくい」、「〜づらい」の2つの表現の違いについて紹介しました。
最後に2つの違いをまとめておきます。
- 「〜づらい」は話者が意図的に行った行為に対して難しいと感じる場合のみ使える。
物の性質や自然現象には使えない。 - 「〜づらい」は精神的/肉体的に負担に思うというニュアンスが含まれる。