「みんなの日本語」のような文型指導先行型の教科書で授業を進めて行くと、どうしても教えた文型を使って会話ができるのか心配になるものです。
学習者は文型を覚えることが目的ではなく、教えた文型を使って意思疎通ができるようになることが目標ですから、私たち教師は色々なシチュエーションを設定して会話練習をさせる必要があります。
しかし、「どういう状況を設定すれば良いのか」、「どういった活動をすれば良いのか」悩むことも多いでしょう。
そんな時には「できる日本語」がかなり役に立ちます。
そこで今回は私も副教材として授業でよく使っているこちらの教科書を紹介したいと思います。
できる日本語ってなに?
「できる日本語」は初級日本語の教科書の1つで、「みんなの日本語」や「げんき」などの文型指導先行型の教科書とは違い、タスク先行で授業を進めて行く教科書です。
具体的には、新しい文型を教える前に状況が設定されてあり、その状況でどんな日本語を話せば良いのかを考え、その後、CDを聞いたりスクリプトを見たりして新しい表現を学ぶというやり方です。
文型指導先行型とは違い、場面が設定されているので、学習者はどんな場面でどんな日本語を使えば良いのかイメージしやすく、場面に適した日本語を使えるようになります。
このタスク先行型の教材は「できる日本語」の他に国際交流基金が開発した「まるごと 日本のことばと文化」や日本語教師養成講座で有名なヒューマンアカデミーが開発した「つなぐ日本語」などがあり、最近タスク先行型の教材が注目されつつあります。
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できる日本語をおすすめする理由
タスク先行型の本が色々、出てきている中で「できる日本語」を「みんなの日本語」の補助教材としておすすめする理由は「みんなの日本語」と文型の提出順序が似ているからです。
以下のボタンを押すと「できる日本語 初級シラバス」が見れるので、一度比較してほしいのですが、「みんなの日本語」とかなり似ていることがわかります。
そのため、「みんなの日本語」で学習する語彙も共通するものが多く、できる日本語の各課に収録されている「ロールプレイ」や「リスニング」、その他の活動が「みんなの日本語」の授業後に流用できるケースが多くあります。
もちろん学校に会話のための追加練習があるとか、自作する方がいいという方はそれでもいいと思いますが、「授業の準備で忙しい」、「練習アイデアを考えている余裕がない」という方はこちらの本を活用するといいと思います。
「できる日本語 初中級」からは文型の導入順が大きく異なってきます。
まとめ
今回は「みんなの日本語」を使っている人が会話練習に困った時に役立つ教材として「できる日本語」を紹介しました。
最近、メインテキストとして使っている学校も増えてきているほど、人気のテキストなので、まだ見たことがないという人はぜひ一度チェックしてみてください。