文型の違い

【日本語の文型】「〜がしたい」と「〜をしたい」の違い

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行為の欲求を表す文型「〜たい」という表現があります。

例えば、次のような文です。

・お酒飲みたい
・美味しいご飯食べたい

上の文はどちらも正しい文ですが、動詞の前の助詞に着目すると「を」と「が」が使われていることがわかります。

では、この「を」と「が」はどのような違いがあるのでしょうか。

今回は「〜を〜たい」と「〜が〜たい」の違いについて確認しましょう。

「〜が〜たい」と「〜を〜たい」の違い

基本的には以下のように助詞「を」と「が」を入れ替えて使うことができます。

(1) コーヒー飲みたい。

(2) コーヒー飲みたい。

しかし、文脈や付加される情報によっては一方の助詞の方がしっくりくる場合があります。

例えば、次のような例文です。

(3) コーヒーゆっくり飲みたい

(4) コーヒーゆっくり飲みたい

上の文では先ほどの例文に「ゆっくり」という副詞を追加しましたが、いかがでしょうか。

どちらも正しいように感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、(4)の「コーヒーをゆっくり飲みたい」の方がしっくりくると感じる人の方が多いのではないでしょうか。

その理由は2つの文で置かれている重点が異なるからです。

「コーヒー飲みたい」では助詞「が」の前の「コーヒー」つまり「物」に重点が置かれています。

一方で、「コーヒーを飲みたい」は助詞「を」の後の「飲む」と言う行為に重点が置かれています。

そのため、副詞の「ゆっくり」が付くことで「コーヒーを飲む」という行為に対してどのように「飲む」のかを補足していることになるので、助詞「を」を使った文のほうがしっくりきたと言うことになります。


まとめ

今回は行為の欲求を表す文型「〜たい」の助詞「が」と「を」の違いについて紹介しました。

外国人に日本語を教えるクラスでは初級前半で「〜たい」が登場するので、これらの違いを説明し、理解してもらうのは難しいかもしれませんが、日本語教師の方は参考までに知識として知っておくと良いと思います。

「〜がしたい」と「〜をしたい」の違い
  1. 〜がしたい:助詞「が」の前に重点が置かれている。
  2. 〜をしたい:助詞「を」の後の行為に重点が置かれている。