日本の言葉

【日本の言葉】「上手と得意」・「下手と苦手」の違い

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こんにちは。

今回は「上手と得意」、「下手と苦手」の違いについて解説します。

英語では上手・得意は「good at」、下手・苦手は「bad at」と同じ表現で訳されるので、かなり外国人にはややこしい言葉なんです。

日本人の我々は普段、何気なく使い分けていると思いますが、きちんと違いを理解していますか?

違いがよくわからないという人は、おさらいしましょう。

「上手」と「得意」の違い

意味の違いを考える時は、例文を見るのが一番早いです。次の例文はどうでしょうか

(例文1)
① はサッカーが上手です。

② はサッカーが得意です。

おそらく、ほとんどの人が②に違和感を感じたのではないでしょうか。文法としては、①も間違いではありませんが、ちょっと厚かましいし、あまり言いませんね。

自分の技量について話す時は「得意」が使われそうです。

では、次の例文も見ておきましょう。

(例文2)
③ 田中さんは料理がお上手ですね。

④ 田中さんは料理がお得意ですね。

今度は④の上手に違和感を感じたのではないでしょうか。相手を褒める時は、「上手」が使われそうです。

では、もう1つだけ例文を見ておきましょう。

(例文3)
⑤ 彼はフランス語より英語が得意です。

⑥ 彼はフランス語より英語が上手です。

これは両方、言えそうですね。例文2との違いは、例文2では「相手を直接褒めていた」のに対して、例文3は単に「他の人の技量について説明したもの」ということです。

以上のことから、「上手」は相手の技量を直接褒める時に使い、「得意」は自分の技量、他の人の技量について言う時に使われることがわかります。


「下手」と「苦手」の違い

続いて、「下手」と「苦手」の違いを考えましょう。

(例文1)
① 私は数学が下手だ。

② 私は数学が苦手だ。

どうでしょうか。①の「下手」を使った文章が、なんだか変ですね。

では、次の文はどうでしょうか。

(例文2)
③ 私はすっぱい食べ物が下手だ。

④ 私はすっぱい食べ物が苦手だ。

こちらも③の「下手」を使った文章に違和感を感じますね。

もう一つ例文を見ておきましょう。

(例文3)
⑤ 私はギターが好きだ。でも、下手だ。

⑥ 私はギターが好きだ。でも、苦手だ。

今度は⑥の「苦手」を使った文に違和感を感じますね。

じゃあ、この3つの例文から、「下手」と「苦手」の違いを考えてみるとどうでしょうか。

例文1、2から「苦手」は「嫌い」や「いや」という意味がありそうですね。

そのため、例文3の⑥「ギターが好きだ。でも、苦手だ」という文では違和感を感じたことになります。

例文3の⑤「私はギターが好きだ。でも、下手だ。」という文はどうでしょうか。下手には「嫌い」、「いや」という感情がなく、単にスキルがないということになりますね。

つまり、「下手」は単にスキルがないこと。「苦手」は「嫌い」、「いや」というニュアンスが含まれていることになります。

まとめ

今回は「上手・得意」、「下手・苦手」の違いを紹介しました。

最後に、それぞれの違いをまとめると以下のようになります。

「上手・得意」、「下手・苦手」の違い
  1. 上手:他の人の技量を褒める時に、よく使う。
  2. 得意:自分あるいは他の人の技量について言う時に使う。
  3. 下手:単に技量が低いことを表す。
  4. 苦手:「嫌い」、「いや」というニュアンスが含まれている。