文型説明

【日本語の文型】「〜あげく」と「〜末に」の違い

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「色々〜した後で、こういう結果になった」と言う時には「〜あげく」や「〜末に」という表現を使いますね。

例えば、次のような文です。

・彼女とは何度も口喧嘩を繰り返したあげく、別れることになった。

・彼女とは何度も口喧嘩を繰り返した、別れることになった。

どちらも、口喧嘩を繰り返して、最終的には別れることのなったことを表していて両方の文に特に文法上の誤りはありませんね。

では、「あげく」と「末に」にはどういった違いがあるのでしょうか。

今回はこの2つの違いについて見ていきましょう。

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「~あげく」と「〜末に」の違い

では、次の例文を見てください。

(1) 人気のお店に2時間も並んだあげく、売り切れで食べられなかった。

(2) 人気のお店に2時間も並んだ、売り切れで食べられなかった。

いかがでしょうか。特にどちらの文も問題なさそうですね。

では、次の場合はどうでしょうか。

(3) 田中さんは2年の浪人のあげく、東京大学に合格した。

(4) 田中さんは2年の浪人の、東京大学に合格できた。

今度は(3)が少し変じゃないでしょうか?

どちらも同じ意味を表す文型なのに、なんだかしっくりこないですよね。

では、どうしてこの例文の場合は「あげく」を使うと変な感じになるのでしょうか。

例文(1)、(2)と比較して考えてみてください。

違いがわかりましたか?

実は、「〜あげく」は色々努力したけど、最終的にはダメだったという残念な気持ち」が含まれる文型なのです。

そのため、悪い結果に対して使うことができますが、良い結果の場合には使うことができません。

実際に例文を見ていただくとわかると思いますが、先ほどの例文(1)、(2)では「売り切れで食べられなかった」と悪い結果になっているので、「あげく」を使ってもしっくり来ましたが、例文(3)、(4)では「東京大学に合格できた」という良い結果だったので、「あげく」を使うとしっくりこない文になってしまいました。

尚、「〜末に」に関しては、結果の良し悪しに関わらず使うことができます。



まとめ

今回は「色々〜した後で、こういう結果になった」という意味の表現「〜あげく」、「〜末に」の2つの違いについて紹介しました。

最後に2つの違いをまとめておきます。

「〜あげく」と「〜末に」の違い
  1. 〜あげく:悪い結果に対してのみ使える。
  2. 〜末に:悪い結果にも良い結果にも使える。