文型の違い

【日本語の文型】「〜から」と「 〜ので」の違い

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理由や原因を表す文型の中に「~から」と「~ので」といった文型がありますね。

例えば次のような文です。

・熱があるから、今日は休みます。

・熱があるので、今日は休みます。

どちらも休む理由として「熱がある」と言っている文ですが、これらの2つの文にはどういった違いがあるのでしょうか。

今回は理由や原因を表す「~から」と「~ので」の違いについてです。

「~から」と「~ので」の違い

では、違いを考えるために、次の例文を見てください。

(1) 先生、黒板の字が見えないから、もう少し大きく書いてください。

(2) 先生、黒板の字が見えないので、もう少し大きく書いてください。

さて、上の2つの文を比べてどうでしょうか。

どちらも理由を言っている文で文法上の間違いはありませんが、何となく(2)の方がしっくり来ませんか?

もう1つ同じような文を見てみましょう。

A:どうして遅れたんですか。
(3) B:電車が遅れたから

(4) B:電車が遅れたので

今度はどうでしょうか。

今回も「ので」を使った文の方がしっくり来ませんか。

では、なぜ「から」を使うとちょっと違和感を感じるのでしょうか。少し考えてみましょう。

わかりましたか?

実は「〜から」は自分の意見を主張する時に使われる表現なので、例文(1)のように、「見えないから」と言ってしまうと、頼み方が少し強い印象を受けます。

また、例文(3)のように「電車が帰ったから」についても、「電車が遅れたから仕方がないじゃん」、「俺は何も悪くないでしょ」というように少し反省の色が見えず、自分は悪くないといっているような印象を受けます。

一方で、「ので」を使った文は、丁寧にお願いしていたり、申し訳ない気持ちで理由を言っているように聞こえますね。

そのため、何か頼みごとをする時や丁寧に理由を言う時は「ので」を使うことが一般的です。



まとめ

今回は理由を言う表現「~から」と「~ので」の違いについて紹介しました。

詳しく見るともう少し違いがあるのですが、まずはニュアンスの違いだけ理解しておくと良いと思います。

補足として「〜から」と「〜ので」の違いをまとめておくと次のようになります。

日本語を教える際に、どこまで教えるか学生のレベルによって変わってくると思いますが、まずは「丁寧さ」や「書き言葉・話し言葉」といった点について教えると良いのではないでしょうか。

〜から 〜ので
文体 話し言葉。作文や論文では「ので」を使う。 話し言葉・書き言葉どちらでも使える。
丁寧度 丁寧さが欠ける。言い方によってはきつい表現。 丁寧な表現。「から」よりも柔らかい。
意志表現 様々な意志表現が使える。 命令や禁止などの強い意志性のある表現では使えない。
主観性 主観的。理由には自分の意見や気持ちなどが含まれる。 客観的。事実関係や物事の因果関係を中立的な立場で述べる。