・本を読むのが好きです
・本を読むことが好きです。
上の例文のように日本語には動詞を「〜の」あるいは「〜こと」を使って名詞化し表現する文型がありますが、あなたはこの「〜の」と「〜こと」の違いがわかりますか?
場合によっては一方しか使えないこともありますし、置き換えが可能なケースもあります。
そこでこのページでは、この2つの違いについて解説していきたいと思います。
「〜の」と「〜こと」の違い
基本的には冒頭の例文のように置き換えが可能な場合が多いですが、カジュアルな場面での会話では「〜の」が使われやすい傾向にあります。
また、話す話題によって、「〜の」が使われやすいケースや「〜こと」しか使えないケースもあります。
「〜こと」しか使えないケース
ケース1:定型表現
以下のものは型として決まっているので、「〜の」と置き換えて使うことができません。
- 可能:〜ことができる。
- 経験:〜ことがある
- 決定:〜ことになる / 〜ことにする
ためしに例文を作ってみると、わかりやすいでしょう。
ピアノを弾くことができる。
× ピアノを弾くのができる。
アメリカへ行ったことがある。
× 私はアメリカへ行ったのがある。
来週、東京へ出張することになった。
× 来週、東京へ出張するのになった。
ケース2:文末が「です・だ・である」
文末が「です・だ・である」になる場合も「〜こと」しか使うことができません。
趣味は本を読むことです。
× 趣味は本を読むのだ。
「〜の」しか使えないケース
ケース1:強調構文
「私が生まれたのは小さな町だ」、「私が注文したのはスパゲッティだ」のように名詞を強調して述べる強調構文の場合、「〜の」しか使うことができません。
私が生まれたのは小さな町だ
× 私が生まれたことは小さな町だ
ケース2:知覚動詞の前
「見る」や「聞く」など知覚を表す動詞の前では「の」しか使うことができません。
ジョンさんが急いで走っているのを見た。
× ジョンさんが急いで走っていることを見た。
ケース3:具体的な行動を表す動詞の前
「待つ」や「止める」、「手伝う」など具体的な行動表す動詞の前では「の」しか使うことができません。
彼が来るのを待ちます。
× 彼が来ることを待ちます。
ただし、全ての動詞ではないので上の3つの動詞だけ頭に入れておきましょう。
置き換え可能だが、「〜の」が好まれるケース
みんなの日本語 38課に登場する次の文型は「〜こと」でも置き換えが可能ですが、「〜の」の方が使われる傾向にあります。
- 感想・評価:〜のは楽しいです / 面白いです など
- 嗜好:〜のが好きです / 嫌いです
- 能力:〜のが上手です / 下手です