「〜するのとほぼ同時に」という意味を表す文型に「〜たとたん」や「〜か〜ないかのうちに」がありますね。
例文を挙げると次のようになります。
・映画が終わったとたん、観客は席を立ち始めた。
・映画が終わるか終わらないかのうちに、観客は席を立ち始めた。
では、この2つの意味や使い方にどういった違いがあるのでしょうか。
今回はこの2つの違いについて見ていきましょう。
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「~たとたん」と「~か〜ないかのうちに」の違い
「〜たとたん」は「た形」で接続していることからも、動作やイベントが終わった直後を表していることがわかると思います。
つまり「映画が終わったとたん・・・」は「映画が終わっている」こと表します。
一方、「〜か〜ないかのうちには」は、動作やイベントが終わる直前を表すので、まだ終わっていません。
そのため「映画が終わるか終わらないかのうちに・・・」は「映画がほぼ終わりそうだが、まだ終わっていない」ことを表します。つまり、終わる直前を表すということです。
しかし、どちらも時間的には大きな差がなく「ほぼ同時に」という意味で使われるので、これだけですと、使い分けがわからないですよね?
実際、二つを置き換えて使うことも可能ですし。
なので、一方の文型しか使えないケースを考えてみましょう。
「~たとたん」しか使えないケース
二つの違いが、「直前」を表すか、「直後」を表すかなので、動作・イベントが完了していないと成り立たないような場面では「〜か〜ないかのうちに」は使えません。
ちょっとわかりにくいと思うので、例文を挙げると次のようになります。
例文1
・電話を切ったとたん、またかかってきた。
・電話を切るか切らないかのうちに、またかかってきた。
例文2
・メールに添付されているファイルを開いたとたん、コンピューターウイルスに感染した。
・メールに添付されているファイルを開くか開かないかのうちに、コンピューターウイルスに感染した。
例文1は電話を切るか切らないかのうちに、また電話がかかってくるなんて不可能ですよね。
例文2についても、ファイルを開いていないのに、コンピューターウイルスに感染するなんてあり得ないですよね。
このように前の動作、イベントが完了しないと成り立たないケースでは「〜たとたん」しか使えません。
まとめ
今回は「〜するのとほぼ同時に」という意味を持つ文型「〜たとたん」、「〜か〜ないかのうちに」の2つの表現の違いについて紹介しました。
最後に2つの違いをまとめておきます。
- 「〜たとたん」は動作・イベントの直後を表す
- 「〜か〜ないかのうちに」は動作・イベントの直前を表す。
- 前の動作、イベントが完了しないと成り立たないケースでは「〜たとたん」しか使えない。