2つの行為を同時に行うことを表す文型に「AながらB」という文型がありますよね。
例えば、次のような文です。
・ご飯を食べながらテレビを見ます。
みなさんが、普段何気なく使っている文型ですが、この「AながらB」は「BながらA」と入れ替えて使えると思いますか?
私たち日本人は特に意識して使っていませんが、日本語を学習している学習者にとってはこの「ながら」の前後の行為を入れ替えて使えるのか、疑問に思うことが多いようです。
そこで、今回はこの「AながらB」の文型について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。
「AながらB」と「BながらA」は同じ
では、冒頭で紹介した例文を入れ替えて、比べて見ましょう。
・ご飯を食べながらテレビを見ます。
・テレビを見ながらご飯を食べます。
いかがでしょうか。
どちらも特に違和感のない文で、入れ替えても問題なさそうですね。
では、次の文はどうでしょうか。
部下:すみません、課長。ちょっと新製品のアイデアについて相談したいことがあるんですが、少しお時間をいただけませんか。
課長:いいよ、でも、今から次の会議にいなきゃいけないから(①歩きながら話してもいいかな / ②話しながら歩いてもいいかな )?
いかがでしょうか。
今度は②の文に少し違和感を感じませんか。
上の例の場合、部下は「相談したい(話したい)」と言っているわけですから、課長は「どのように話すのか」を答えなければいけません。
「ながら」の前の「話す」という行為はどのように話すのかを詳しく説明した文になります。
つまり、「AながらB」の文型では、Bが主な動作を表し、AはどのようにBをするのか詳しく描写するための追加情報だということなります。
そのため、入れ替えが可能な場合もありますが、文の内容によっては、入れ替えできない場合もあります。
まとめ
今回は「AながらB」のAとBを入れ替えて使うことができるのかを紹介しました。
まとめると次のようになります。
- Bは主な動作を表し、AはどのようにBをするのかを表す追加情報である。
- 文の内容によっては、AとBを入れ替えることができない。