変化が続いて止まらないことを表す表現に「〜ばかりだ」や「〜一方だ」といったものがあります。
例えば、次のような文です。
・雨は強くなるばかりで、やみそうにない。
・雨は強くなる一方で、やみそうにない。
上の文はどちらも正しい文で、雨がどんどん強くなっていて、やみそうにないという意味です。
では、この「〜ばかりだ」と「〜一方だ」はどのような違いがあるのでしょうか。
今回はこの2つの違いについて確認しましょう。
「〜ばかりだ」と「〜一方だ」の違い
まずは次の例文を見てください。
(1) トムさんは毎日真面目に勉強しているので、成績は上がるばかりだ。
(2) トムさんは毎日真面目に勉強しているので、成績は上がる一方だ。
上の場合、どちらの例文が正しいでしょうか。
どちらも同じ意味を表す文型ですが、(1)の「〜ばかりだ」はちょっと変な感じがしますよね。
では、もう1つ例文を見てみましょう。
(3) 新しい商品がヒットして、売上が上がるばかりだ。
(4) 新しい商品がヒットして、売上が上がる一方だ。
こちらの文でも、やはり「〜ばかりだ」を使った文が少し変ですね。
では、どうして違和感を感じるのでしょうか。少し考えてみましょう。
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わかりましたか?
実は「〜ばかりだ」は悪い方向に変化していく場合のみに、使うことができる表現なので、良い方向に変化していく場合は使えません。
先ほどの例文では「成績は上がる」や「売上が上がる」などどちらも良い方向に変化が進むため、「ばかりだ」を使うと違和感のある文になってしまいます。
尚、「一方だ」ですが、こちらは良い方向、悪い方向どちらに対しても使うことができます。
まとめ
今回は変化が続いて止まらないことを表す表現「〜ばかりだ」と「〜一方だ」の違いを紹介しました。
外国人に日本語を教えるクラスでは初級後半で登場するので、これらの違いを説明できるように準備しておきましょう。
- 〜ばかりだ:悪い方向に変化する場合のみ使用可
- 〜間に:良い方向・悪い方向に関わらず使用可