動作を行う場所やイベントが行われる場所を示す際に助詞「で」をよく使いますよね。
例えば、次のような例文です。
当社の社員が先日のコンペティションで金賞を受賞しました。
2020年のオリンピックは東京で開催される。
特に難しくない文法だと思いますが、上の文は次のように「〜において」という言い方もできますね。
当社の社員が先日のコンペティションにおいて金賞を受賞しました。
2020年のオリンピックは東京において開催される。
では、この「で」と「において」の違いは一体何なのでしょうか。
私たち日本人はこれまで疑問に思ったことがないかもしれませんが、日本語を勉強している外国人は必ず疑問に思う項目です。
そこで、今回は「〜で」と「〜において」の違いを見ていきましょう。
「で」と「において」の違い
では、次の例文を見せてください。
以前に比べ、海外で日本のレストランが急増している。
以前に比べ、海外において日本のレストランが急増している。
どちらも意味として同じ文ですね。
実は「で」と「において」の意味はほとんど同じなので、入れ替えて使えることが多いのです。
では、次のような文はどうでしょうか。
私は自転車で毎日通勤しています。
私は自転車において毎日通勤しています。
今度は「において」を使った文に違和感を感じた人が多いのではないでしょうか。
もう一つ、例文を見ておきましょう。
私は今晩レストランで友達と食事する予定だ。
私は今晩レストランにおいて友達と食事する予定だ。
これも「〜において」を使った文が少し気持ち悪いですね。
実は「で」とほとんど同じ意味を表す「において」ですが、例文のように日常のこと、普通のことには使うことができません。
そのため、改まった書き言葉として使われることが多いのです。
まぁ、普段の生活を振り返って見て、友達との会話で「において」を使う人はほとんどいないですよね。
まとめ
今回は「で」と「において」の違いを紹介しました。
2つの違いをまとめると以下のようになります。
- 「において」は「で」よりも使用範囲が狭い
- 書き言葉としてよく使われることが多い
- 日常的なことには使えない
外国人に日本語を教えていらっしゃる先生の中で、学習者からこれらの違いについて質問が出た場合はきちんと説明できるように準備しておきましょう。