時間や場所の始まりと終わりを表す文型に「〜から〜まで」と「〜から〜にかけて」という文型がありますよね。
例えば、次のような文です。
・10月から12月まで忙しい。
・10月から12月にかけて忙しい。
さて、あなたはこの2つの文型の違いがわかりますか?
今回は「始まり」と「終わり」を表すこれらの表現の違いについて見ていきましょう。
「〜から〜まで」と「〜から〜にかけて」の違い
初級の日本語で教える「〜から〜まで」は始まりと終わりがはっきりとわかっている場合に使います。
そのため、冒頭の「10月から12月まで忙しい。」という例文は、この期間はずっと忙しいということを意味します。
一方で、中級から登場「〜から〜にかけて」は始まりと終わりがはっきりとはしないが、だいたいその辺りだと言いたい場合に使います。
そのため、冒頭の「10月から12月にかけて忙しい。」という例文は、だいたいこの期間が忙しいということを意味します。
もう少し、違いがわかりやすい例をあげると、次のような文でしょうか。
(1) 当デパートは毎日、朝9時から夜10時まで営業しています。
(2) 当デパートは毎日、朝9時から夜10時にかけて営業しています。
どちらの文を見たり聞いたりしたことがありますか?
全員が(1)の「〜から〜まで」ですよね。これはデパートの営業時間というのは始まりと終わりがはっきりしているためです。
そのため、「〜から〜にかけて」を使うと不自然な文になってしまいます。
「〜から〜にかけて」が使われる場面
「〜から〜にかけて」がよく使われる例としては天気予報が挙げられるでしょう。
「関東地方から近畿地方にかけて雨が降るでしょう」や「今晩から明日にかけて大雨に注意してください」のように「〜から〜にかけて」を使った表現がたくさん登場します。
これは、はっきりとしたエリアや時間がわかっていないため「〜から〜まで」ではなく「〜から〜にかけて」が使われています。
実際に、今日の天気予報を確認して、この文型が使われているかどうか確認してみると良いかもしれません。
まとめ
今回は起点と終点を表す文型「〜から〜まで」と「〜から〜にかけて」の2つの違いについて見てきました。
それぞれの違いについてまとめると以下のようになります。
- 「〜から〜まで」は起点と終点がはっきりしている。
- 「〜から〜にかけて」は起点と終点が漠然としている。