みなさん「使用する(使う)」と「利用する」って言葉を日常会話で使いますよね。
でも、この違いを説明できますか?
例えば、次の文はどうでしょうか。
(1) 箸を使用する(使う)。
(2) 箸を利用する。
多分、違和感なくどちらも使っていると思います。
じゃあ、次の文はどうでしょうか。
(1) よく、マクドナルドを使用している。
(2) よく、マクドナルドを利用している。
多分、(1)の文に少し違和感を感じた人が多いのではないでしょうか。
(1)の文は会話で聞きませんね。これが、「使用する」と「利用する」の違いなのですが、その違いがわかりますでしょうか。
今回はこの2つの言葉の違いについて説明します。
「使用する」と「利用する」の違い
「使用する」は「使う」と同じ意味で、単に道具や人を使うことを意味します。
先ほどの例で、「箸を使用する」が違和感なく使えたのは「箸」は物を表すからです。
じゃあ、「利用する」はどういう意味でしょうか。
辞書には以下のように説明があります。
1. (物の機能・性能を十分に生かして)役立つようにうまく使うこと。また、使って役に立たせること。「遊休地を利用する」「いつも地下鉄を利用する」「廃物利用」「無線LANが利用できる喫茶店」「年間500万人が利用するサイト」
出典:goo辞書
上記からわかる通り、「利用する」は単に使うだけではなく、「その機能や性能を十分に生かして役立たせること」を意味します。
先ほどの「よく、マクドナルドを利用している」という文を見てみましょう。
辞書の意味に従うと、「マクドナルドを利用する」は「マクドナルドの機能や性能を利用して使う」と言うことになりますね。
でも、この説明だけだと・・・
って思ってしまいますよね。
ですから、もう少し考えてみましょう。
マクドナルドではどんなことができるでしょうか。単にハンバーガー注文して食べるだけでしょうか?
もちろん、そういう人もいると思いますが、「食事」以外にも例えば友達と一緒にコーヒーを飲んでゆっくりすることもできますね。
それから、海外のマクドナルドでは、勉強するために使っている人もいます。(日本でもそういう人がいますが、禁止している店が多いので注意しましょう。)
このようにマクドナルドでできることは色々とあります。これらの機能をうまく使うことを「利用する」と言います。
もう一歩
もう一つの例文も見ておきましょう。
最初の例文「箸を使用する」と「箸を利用する」の2つはどちらも違和感がなかったと思います。
では、次の文はどうでしょうか。
(1)’ 箸を使ってご飯を食べる。
(2)’ 箸を利用して、隙間に入ったイヤリングを取った。
どちらも違和感がないと思います。
上の2つの違いは何でしょうか?
(1)’は箸を本来の用途として使っているのに対し、(2)’では本来の用途とは別の使い方で、箸を役立たせて使っています。
このように「利用する」はその物の本来の機能とは別の使い方で役立たせて使う時にも使うことができます。
まとめ
今回は「使う」と「利用する」の違いを紹介しました。
1.「利用する」は単に使うことを指すのではなく、ある目的や利益のために使うことを意味する。
2.その物の本来の機能とは別の使い方で役立たせて使う時にも使うことができる。