文型の違い

【日本語の文型】「〜たばかり」と「〜たところ」って何が違うの?

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日本語には、ある行為をしてから、あまり時間が経過していないことを表文型として「~たばかり」と「~たところ」という2つの文型がありますね。

例えば、以下のような文です。

(1) さっき起きたばかりだから、まだ眠いよ。

(2) さっき起きたところだから、まだ眠いよ。

(1)と(2)はどちらも同じ意味を表す文ですが、文によっては、「〜たばかり」しか使えないような場合もあります。

我々、日本人はあまり意識することなく、普段の生活の中でこれらの文型を使い分けているわけですが、みなさんはこの2つの違いを説明できますか。

今回はこの2つの類似文型「~たばかり」と「~たところ」の違いを学習しましょう。

「〜たばかり」と「〜たところ」の違い

では早速、違いを理解するために、以下の例文を見てください。

(3) 去年、英会話の勉強を始めたばかりなので、まだまだ上手じゃありません。

(4) 去年、英会話の勉強を始めたところなので、まだまだ上手じゃありません。

みなさんなら、どちらの文型を使いますか?

多くの人が(3)の「始めたばかり」の文型を選ぶと思います。

でも、どちらも「去年のこと」だから時間はかなり経過しているよね?

こんな風に感じられた方もいるかもしれませんが、実は「ばかり」は話し手が短いと感じたかどうかが問題で、実時間はあまり重要ではありません。

ですから、話し手が短いと感じれば「〜たばかり」を使うことができるのです。

一方で、「〜たところ」は時間がかなり経過していることには使えません。ですから、去年のことについて話している例文(4)は不自然な文となります。

「〜たところ」:〜のすぐあと。〜してからの時間が短い。

「〜たばかり」:実時間は関係ない。話し手が短いと感じるか否か。

では、次のような文はどうでしょうか。

(5) これは昨日、買ったばかりの靴です。

(6) これは昨日、買ったところの靴です。

今度も「たところ」を使った(6)の文が不自然ですね。

今回はどちらも「昨日」なので、時間はあまり経っていないことになりますが、「ばかり」と「ところ」の後ろの単語に注目してください。

さっきの例文とは違い、名詞「靴」と接続していますね。

実は「たところ」は名詞と接続して「〜たところの名詞」とすることができません。

ですから、(6)は不自然な文になります。

「〜たところ」は名詞と接続できない。



まとめ

今回はある行為をしてから、あまり時間が経過していないことを表す文型「〜たばかり」と「〜たところ」の違いを紹介しました。

違いを比べてみると、「〜たばかり」はかなり万能な文型だということがわかりますね。

最後に2つの文型の違いを以下にまとめておきます。

「たばかり」と「たところ」の違い
  1. 「〜たところ」:〜のすぐあと。〜してからの時間が短い。
    「〜たばかり」:実時間は関係ない。話し手が短いと感じるか否か
  2. 「〜たところ」は名詞と接続できない。
    ex. × これは昨日買ったところの服です。

外国人に日本語を教えている方は、違いを質問されたら説明してあげましょう。