以前と比較して変化したことを表す文型に「〜ようになる」というものがあります。
例えば、次のような文です。
- 1年練習して、ギターが上手に弾けるようになりました。
- 10年後は誰でも、宇宙へ旅行できるようになるかもしれませんね。
- 当店でも、電子マネーが使えるようになりました。
- 大人になってから、よく野菜を食べるようになりました。
①は能力の変化、②は可能性、③は環境や状況の変化、④は習慣の変化を表している文になります。
このように「〜ようになる」は以前と今、未来を比較し、能力や状況、習慣などが変わり、その状況が続くことを表します。
しかし、この「〜ようになる」ですが、すべての動詞で使えるわけではありません。
では、どんな動詞が使えないのでしょうか?
「〜ようになる」と接続できない動詞
それでは、次の文を見てください。
- あ〜あ、最近食べ過ぎで、太るようになっちゃった。
- お気に入りのセーター、洗濯して縮むようになっちゃった。
いかがでしょうか?
2つともかなり不自然な文ですね。
本当なら、「太っちゃった」や「縮んじゃった」と言わなければいけないのに、「〜ようになる」と一緒に使ってしまったことで、このような不自然な文になってしまいました。
ではなぜ、この例文の場合「〜ようになる」が使えないのでしょうか。
実は、「〜ようになる」は変化を表す文型ですが、「太る」や「縮む」はその動詞自体に「変化」の意味を持っているので、そういった動詞の場合、「〜ようになる」を一緒に使うと不自然な文になるのです。
ですから、日本語を学習している学生さんがいらっしゃったら、変化の意味を持つ動詞を使う場合、「〜ようになる」は使えないということを教えてあげましょう。
変化の意味を持つ動詞の例
太る、痩せる、伸びる、縮む、増える、減る、慣れる、広がる、狭まる
まとめ
今回は変化を表す文型「〜ようになる」と接続できない動詞について紹介しました。
日本語を学習している学生が間違えないように、日本語教師の方はしっかりと指導しましょう。
「〜ようになる」と接続できない動詞
「太る」、「痩せる」のように変化の意味を持つ動詞