7月

【花火の日本語】「たまや〜」、「かぎや〜」ってどういう意味?

花火の日本語 :玉屋、鍵屋とは
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あなたも、これまでに一度はテレビやアニメなどで、花火の打ち上げシーンがあると「たまや〜」、「かぎや〜」といった言葉を耳にしたあるはず。

しかし、これらの言葉の意味を知っているという人は意外に少ないものです。

「意味はよくわからないけど、口にしたことがある」という人も多いのではないでしょうか。

そこでこのページでは花火を打ち上げる際に使われる「たまや」、「かぎや」とはどういった意味の言葉なのか見ていくことにしましょう。

「たまや」、「かぎや」は花火メーカーの名前だった

「たまや」、「かぎや」の起源は江戸時代まで遡ります。

実は江戸時代以前は今のような花火大会というものは存在しなかったのですが、1733年から、徳川吉宗の命により、亡くなった方の慰霊と疫病退散を目的として、隅田川で花火が打ち上げられるようになりました。

これが今の隅田川の花火大会の起源とされています。

このとき花火の製造を引き受けたのが「鍵屋(かぎや)」という花火メーカーだったのですが、後に鍵屋の職人が独立し「玉屋(たまや)」という花火メーカーを作り、隅田川の花火に参加することになったのでした。

つまり、現在、花火の打ち上げ時に聞く「たまや〜」や「かぎや〜」はこれらの花火メーカーの名前を指すことになります。

では、なぜお花火n打ち上げ時にこれらの名前が叫ばれるのでしょうか。


打ち上げの時に「たまや〜」、「かぎや〜」と言われる理由

玉屋ができてから、隅田川花火大会は上流を玉屋が、下流を鍵屋が受け持ち、両メーカーが競い合うように花火を打ち上げるようになりました。

そして、それを見ていた見物客が「たまや〜」や「かぎや〜」と両メーカーを応援する意味を込めて声をかけるようになり、これが現代まで引き継がれたということになります。

つまり、「たまや〜」、「かぎや〜」は2つの花火メーカーを応援するための掛け声だったということになります。

玉屋の店は引き継がれることなく1代目で廃業

ちなみに余談ですが、玉屋の花火職人は失火によって火事を起こしてしまったため、その罪を償うために江戸から追放されてしまいます。

そのため、誰も引き継ぐものがおらず、1代目で玉屋は廃業に追い込まれることになったのでした。

まとめ

花火を打ち上げる時の「たまや」、「かぎや」とは
  • 「たまや」、「かぎや」は花火メーカーの名前であった。
  • 打ち上げ時に「たまや〜」、「かぎや〜」と言われるのは、当時、競い合っていた両メーカーを見物客が応援する掛け声が現代まで引き継がれたためであった。

今回は花火の打ち上げシーンで一度は聞いたことがある「たまや〜」、「かぎや〜」の言葉の意味や言われるようになった背景を紹介しました。

今はあまり聞く機会が減ったかもしれませんが、ぜひ花火大会に行かれる方は耳を澄まして聞いてみてください。