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【初級日本語の教科書】結局どれがいいの?(みん日・げんき・でき日・まるごと)

ひと昔前までであれば、日本語指導の教科書に「みんなの日本語」を使う学校がほとんどでしたが、近年では「まるごと」や「できる日本語」など教科書の種類も増え、選択肢も増えました。

でも教科書が増えると、結局どれが一番いいのかわからないですよね。

そこで、今回は初級日本語の代表的な教科書「みんなの日本語」、「げんき」、「できる日本語」、「まるごと」の4つをピックアップして、それぞれの教科書の特徴やどういった人にどの教科書がおすすめなのかなどを紹介します。

授業の進め方は文型中心?それともタスク中心?

4つの教科書は、それぞれ初級の学習者を対象にした教科書ですが、まず大きな違いとして、「文型先行型」の授業か、「タスク先行型」の授業かという違いがあります。

文型先行型の授業とは次のような進め方の授業のことを指します。

「文型先行型授業」の授業
  1. 最初に文型を導入する
  2. パターンプラクティスで口慣らし
  3. 読み書き練習
  4. 新出文型を使った会話練習

養成講座の模擬授業でもこの流れで練習された方が多いのではないでしょうか。

文型中心の授業では最初に、文型の意味や接続を教えてから会話の練習をするという教え方です。

一方で、タスク中心の授業は次のような授業の進め方のことを指します。

「タスク先行型」の授業
  1. まずはタスクをやってみる
  2. どういう表現や文型を使えば正しいのか指導する
  3. 口慣らしや読み書き練習をする
  4. 再度、タスクに挑戦する

文型先行型の授業とは異なり、教師は状況を設定し「こんなとき、どうしますか?」とタスクを与えます。

学習者は既に持っている日本語の知識をフル活用して、タスクにチャレンジし、その後に教師は「こんな言い方がありますよ」と新しい表現や文型を紹介し、練習します。

文型先行型とは異なり、まず最初に知っている日本語だけでチャレンジすることで、学習者の日本語会話練習になりますし、シチュエーションが毎回設定されているので、どういった場面でどんな日本語を使えば良いのかが明確です。

多くの学校では「文型先行型の授業」で日本語を教えていますが、最近では「タスク先行型の授業」が注目されつつあります。

そして、初級日本語の4つの教科書ですが、授業の進め方で分けると次のように分かれます。

文型先行型
  • みんなの日本語
  • げんき
タスク先行型
  • できる日本語
  • まるごと 日本のことばと文化

もちろん「みんなの日本語」や「げんき」でも工夫すればタスク先行で授業を行うことが可能です。

では、この中で一体どの教科書がいいのでしょうか。



初めて日本語を教える人が一番使いやすいのは「みんなの日本語」

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初めて日本語を教えるという方であれば、やっぱり「みんなの日本語」が使いやすいです。

理由は多くの日本語学校で、今も「みんなの日本語」が採用されていること、養成講座の演習でも「みんなの日本語」を使っている場合が多いことなどが挙げられます。

また「みんなの日本語」の場合、「教え方の手引き」や「各国の言語で書かれた翻訳版」、「問題集」など補助教材が豊富に揃っているので、経験の浅い先生でも使いやすいです。

プライベートレッスンや英語を交えた授業なら「げんき」

「げんき」もみんなの日本語と同様に文型先行型の教科書ですが、他の3つに比べ全て英語での説明があり、独学もできるように作られています。

プライベートで1対1で教えるのであれば、直説法で全部教える必要はありませんし、英語(媒介後)で指導した方がスムーズに進められるでしょう。

また、みんなの日本語は会社員のマイク・ミラーという人物を中心にストーリーが進んでいくので、少しフォーマルな場面や会話が多いのに対し、「げんき」は大学生のメアリーとたけしを中心にストーリーが進んでいくので、カジュアルな場面も多いです。

そのため、ビジネス目的でなければ、「げんき」のほうがやりやすい印象です。

みんなの日本語からタスク先行型教材に移行するなら「できる日本語」

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タスク先行型の授業をしたいけど、英語や進め方に自信がないという方には「できる日本語」がおすすめです。

理由は「できる日本語(初級)」の文型提出順序が「みんなの日本語1」と似ているので、みんなの日本語にとっては移行しやすいと言えます。

しかしタスク先行型の場合、英語(媒介語)を使いながら進める必要が出てきます。もし、英語に自信がない場合は、「みんなの日本語」で教えつつ、副教材として「できる日本語」を使い、徐々に「できる日本語」にシフトすると移行しやすいと思います。

英語(媒介語)を使って授業を進めていくなら「まるごと」

英語(媒介語)に自信があり、タスク先行型で授業を進めたいなら「まるごと」がおすすめです。

文型の提出順序は他の教材と大きく異なるので、今まで他の教科書を使っていた場合は苦労するかもしれませんが、本書に登場するトピックは面白く、全ページカラーなので、綺麗でとても見やすいです。

私が学生の立場なら、この本を使って勉強してみたいなぁという感じです。



タスク先行型授業の注意点

タスク先行型の場合、プロジェクターは必須です。

今時、プロジェクターの無い学校はあまり無いと思いますが、海外(特に東南アジアのような貧しい国)であれば、プロジェクターは使わずに、紙の絵カードを使って授業をする学校が多いです。

まとめ

今回は初級日本語の代表的な教科書4つについて、どれがいいのか用途別に分類してみました。

初級日本語の教科書はどれがいいの?
  1. 初めて日本語を教える人なら「みんなの日本語」
  2. プライベートレッスンなら「げんき」
  3. 「みん日」からタスク先行型教材に移行するなら「できる日本語」
  4. 英語を使って、タスク先行型で授業をするなら「まるごと」

これから日本語の先生になろうと思っている方は、参考にしてみてください。

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