養成講座を出たばかりの人や日本語学校で働き始めたばかりの人は「どうやって日本語を教えたらいいんだろう」と不安に思っている人も多いはず。
しかし、先輩教師の生の授業を見る機会はそれほど多くありません。
そんな人に役立つ本として「教え方の手引き」や「日本語の教え方ABC」といった本が有名ですが、2018年11月末に出版された「日本語授業の進め方 生中継」も新米教師の方にかなり役に立つと思いましたので、今回はこちらの本を紹介したいと思います。
目次
日本語授業の進め方 生中継ってどんな本?
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「日本語授業の進め方」は新米日本語教師や経験の浅い日本語教師向けに「どうやって直説法で日本語の授業を進めたら良いのか」が解説された本で、「教え方の手引き」や「日本語の教え方ABC」に共通する部分が多いです。
しかし、こちらの本はタイトルに「生中継」とあるように、全23トピックあるうちの6トピックについては無料で授業のビデオを見ることができます。また、実際の授業の写真も多く登場するので、授業の進め方のイメージを掴むのにとても役に立ちます。
さらに「教え方の手引き」や「日本語の教え方ABC」にはない「板書の仕方」であったり、「絵カード・文字カードの見せ方」、「机間巡視」など授業で役立つテクニックがコラムとして紹介されているので、スキルアップに役立ちます。
本書の内容
本書の構成は次のように
- 文法の整理
- 授業のポイント
- 導入
- 練習
- 活動
- コラム(スキルアップ)
1. 文法の整理
文法の整理では、指導する文型の接続であったり、注意点などを確認します。
文法の分析がまだ十分にできていない人ですと、「そうだったのか」と思うようなこともあるかもしれません。
箇条書きで簡潔に書かれているので、とてもわかりやすいです。
2. 指導のポイント
授業を進める際のポイントが整理されています。
他の手引き書では授業を進める際の工夫や注意点はあまり書かれていないので、とても役に立ちます。
3. 導入
「導入」では実際に新しい文型を直説法でどうやって導入するかが具体的に書かれています。
あくまで一例ですので、真似する必要は無いです。
他に良い導入法がわからなければ真似すると良いと思います。
4. 練習
「練習」では導入後に、その文型を定着させるための練習方法が紹介されています。
5. 活動
「活動」では勉強した文型を使ってできるちょっとしたゲームが紹介されています。
6. コラム(スキルアップ)
コラムでは先ほども紹介したように、スキルアップのためのテクニックが紹介されています。
養成講座で学んだことも多いかもしれませんが、改めて復習になることも多いです。
本書を購入してよかった点
私自身「教え方の手引き」や「日本語の教え方ABC」をすでに読んでいるので、その上で本書を読んでよかった点を挙げるとすると以下です。
- 「教え方の手引き」や「日本語の教え方ABC」には無い情報が得られた。
- コラム(スキルアップ)が復習になってよかった。
他の教え方教材と共通する部分は多いものの、新しい導入や練習の方法もあったので参考になりました。
また、コラム(スキルアップ)に関しては当然のことが書かれていますが、つい忘れてしまいがちなこともあったので、復習になってよかったと思います。
もっとこうしたら良くなる?
個人的には満足のいく本なのですが、こうだったらもっとよかったのになぁと思う点もあります。
それは、以下です。
- 紹介されているビデオが少ない。
- 初級文型が網羅できていない。
本書では、23のトピックについて授業の進め方が紹介されていますが、そのうち6つのトピックについてしかビデオがありません。
やっぱり、全項目に関してビデオがあったほうが自分で授業を教える際の参考にもなりますし、ビデオを参考にしながら練習ができるので、23全てのトピックでビデオは欲しいなぁと思いました。
それから、本書では初級文型のうち23項目しか無いので、初級文型を網羅できている訳ではありません。
続編でもいいので、他の文型項目についても紹介いただけると、教え方がわからなくて困っている先生方に役に立つと思いました。
最後に
今回は「どうやって日本語の授業を進めて良いかわからない」と悩んでいる人向けの本「日本語授業の進め方 生中継」を紹介しました。
Amazonでのレビューも高く、私自身も買ってよかったと思っているので、同じような悩みを持っていらっしゃる先生はこちらの本を参考にしてみてください。
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